3. セキュリティ(SSE)

【SSEとは】SSEの仕組み

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SSEの仕組みの基本:「プロキシ」と「ゲートウェイ」のハイブリッド

SSEの仕組みを理解する根底として、通信のすべての「真ん中」に割って入るという特徴があります。 前回の「構成要素(パーツ)」が、実際にどう連動してトラフィックを処理していくのか、「インターネット(SaaS)向け」「社内リソース(ZTNA)向け」の2つの仕組みに分けて解説します。

【仕組み】インターネット・SaaSアクセスの流れ

ユーザーがWebサイトやM365等にアクセスした際、通信は以下のステップで処理されます。

ステップ①:すべてのパケットをカプセル化する「フルトンネル(L3/L4転送)」の仕組み

端末のエージェント(Zscaler Client Connector等)や拠点のSD-WANルーターが、ユーザーの発する通信をコントロールします。 ここではWeb通信(HTTP/HTTPS)だけを部分的に中継するのではなく、非Web通信も含めたすべてのパケットに新しいヘッダ(トンネルヘッダ)を付与してカプセル化し、最寄りのSSE(PoP)へと転送することも可能です。(=フルトンネル)

ステップ②:Webに到達する手前での「L3〜L7レイヤーの先制防御」(DNS・FWaaS)

Webサイトの画面(HTTP/HTTPS)が開くよりも前、ポートやプロトコルを問わないフルトンネルの場合、可能になる最初の防御ラインです。

  • DNSセキュリティ: Webアクセス(TCP)が始まる前段の、UDPによる「DNS名前解決(Aレコード返答)」のタイミングで宛先をチェック。悪質サイトであればその瞬間に通信をドロップ(遮断)します。
  • FWaaS(Firewall as a Service): カプセル化を解いたパケットに対し、L3/L4(IP・ポート・プロトコル)レベル、さらにはL7アプリケーション識別によるファイアウォールポリシーを適用し、不要な通信や危険なプロトコルを即座にブロックします。

ステップ③:認証と「中身の見える化」(SSL復号)

先制防御を抜けたWeb通信に対し、認証(Entra ID等)でユーザーを識別。同時に、暗号化されたHTTPS通信をクラウド上で一時的に復号(SSLインスペクション)し、中身を裸にします。

ステップ④:インライン検閲と「送信元IP固定」での送信

SWGやCASBで「ファイルの中身」や「テナント制限」を一元検閲します。

  • 仕組みのポイント(応用): 宛先がM365等の条件付きアクセス対象の場合、SSEは出口のIPを「自社専用にストックされた固定グローバルIP(Dedicated IP)」に動的に切り替えてSaaSへ届けます。

【仕組み】社内リソース(ZTNA)アクセスの流れ

社外から、社内ネットワークやIaaS(Private Apps)へアクセスする仕組みは、インターネット向けとは全く異なります。

[ユーザー端末] → (アウトバウンド) → [ SSEクラウド ] ← (アウトバウンド) ← [社内コネクタ] → [社内リソース]

ステップ①:社内への「入り口」をインターネットから隠す

従来のVPNのように、社内境界のFWで「外からのインバウンド通信(グローバルIP)」を開けて待つことはしません。社内環境に「コネクタ(App Connector等)」と呼ばれる軽量な足場を配置し、コネクタからSSEクラウド側に向けて、あらかじめ内側から外側へ(アウトバウンド)常時トンネルを張っておきます。

ちなみに:NWエンジニア目線で感動する「ゼロトラスト」なポイント従来のVPNは、外からの接続(インバウンド)を許可するためにグローバルIPを晒し、ポートを開放する必要がありました。これは攻撃者から見れば「脆弱性を突ける標的」が常に見えている状態です。

一方、ZTNAの本質は「社内側はアウトバウンド通信のみ、インバウンドはすべて拒否(ANY DENY)」のままで動く点にあります。インターネット側から社内ネットワークが「一切見えない(存在しないように見える)」状態を作れることこそが、インフラ屋として非常に美しく、最もゼロトラストだと実感するポイントです。

ステップ②:SSEクラウドが「お見合い」を仲介する

ユーザーが社内アプリにアクセスすると、通信はまずSSEに届き、厳格な認証・認可(最小権限の判定)が行われます。「このユーザーに、このアプリへのアクセスを許可する」と判定されると、SSEクラウドの内部で、【ユーザーからのトンネル】と【社内コネクタからのトンネル】をガッチャンコと結合します。

ステップ③:ピンポイントな「経路」の開通

これにより、ユーザーは社内ネットワーク全体(LAN)に潜り込むことなく、目当てのアプリケーションだけに限定されたピンポイントな経路で安全に通信ができる仕組みになっています。

4. まとめ:仕組みを知ると、なぜ「SASE」が必要かわかる

  • インターネット向けは、フルトンネルでDNSの段階から一元検閲し、最後は専用IPで出す仕組み。
  • 社内向け(ZTNA)は、外から社内へ直接入れさせず、クラウドが真ん中で通信を繋ぐ(お見合いさせる)仕組み。

この2つの高度な仕組みを支えるには、通信の入り口となる足回り(SD-WANやエージェント)の制御が極めて重要になります。だからこそ、ネットワークとセキュリティが融合した「SASE」のグランドデザインが必要になるのです。

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管理人
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自称SASEエンジニアです。 2児の父親をやりながら、日々エンタープライズ向けの次世代ネットワークインフラと格闘しています。一日一投稿を目標に投稿頑張りますので、是非読んでください!
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