【SSE】[Zscaler] [ZIA] [設計] [個別] [非インライン] SOAR
はじめに
前回までは、NSSやCloud NSSを利用したログ転送について紹介しました。
ログをSIEMへ転送すると、様々なセキュリティイベントを検知・分析できるようになります。
しかし、アラートが発生するたびに管理者が手動で調査・設定変更を行っていては、迅速な対応は難しくなります。
そこで利用されるのが、SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)です。
本記事では、SOARの概要と、ZIAと連携した運用イメージについて紹介します。
SOARとは
SOARとは、簡単に言えば、セキュリティ運用を自動化するための仕組みになります。
例えば、SIEMが悪意のあるURLへのアクセスを検知した場合、SOARはプレイブックに従って、
- 関連ログの収集
- 脅威情報との照合
- 管理者への通知
- ZIAの設定変更
などを自動で実施します。
つまり、SIEMは「検知する仕組み」、SOARは「対応を自動化する仕組み」
という役割になります。
ZIAとSOARの連携
ZIAでは、NSSやCloud NSSを利用してSIEMへログを転送します。
その後の流れは、
ZIA → NSS / Cloud NSS → SIEM → SOAR → ZIA API → 設定更新
となります。
SOARはSIEMで発生したイベントを受け取り、ZIAが提供するAPIを利用して、必要な設定変更を自動で実施します。
つまり、SOAR自身が通信を遮断するわけではありません。
ZIAのポリシーを更新することで、結果として通信を遮断する仕組みです。
SOARで自動化できること
SOARは、ZIAのAPIを利用して様々な設定を自動で更新できます。
実際の運用では、URLカテゴリなど、あらかじめ設計しておいたポリシーの参照先を更新する使い方が一般的です。
例えば、
- URLカテゴリへのURL追加・削除
- URLカテゴリを利用したURL Filteringの制御
- URLカテゴリを利用したSSL Inspection対象の変更
- URLカテゴリを利用したCloud Browser Isolationの適用
- Sandbox結果や通信ログの取得
- 管理者への通知など
つまり、SOARが直接通信を制御するのではなく、ポリシーが参照するカテゴリを更新することで、
結果として通信の動作を変更します。
URL Filteringとの連携
SOARと最も組み合わせられることが多いのが、URL Filteringです。
例えば、SOAR専用のURLカテゴリを作成し、
SOARにはそのカテゴリだけを更新できるAPI権限を払い出します。
すると、SIEMが悪意のあるURLを検知すると、SOARが自動でURLカテゴリへ追加し、
ZIAがそのURLへのアクセスを即座に拒否できるようになります。
イメージとしては、
SIEM → SOAR → SOAR用URLカテゴリ → URL Filtering → 通信拒否
という流れになります。
SOARは新しい制御を行うのではなく、既存のURL Filteringを自動更新するという考え方になります。
設計で重要なこと
SOARを利用する場合は、SOAR専用のURLカテゴリとURL Filteringルールを用意しておくことをおすすめします。
例えば、「SOAR Block」というURLカテゴリを作成し、
そのカテゴリを参照する拒否ルールをURL Filteringへ設定します。
SOARはAPI経由で、このカテゴリへURLを追加・削除するだけになります。
こうすることで、SOARが管理する範囲と、管理者が手動で管理する範囲を明確に分けられます。
ルール順序に注意
SOARによるブロックを期待通りに動作させるためには、URL Filteringのルール順序が重要です。
例えば、
- Custom URL Category – Allow
- Custom URL Category – Caution
- Custom URL Category – Block
- Zscaler URL Category – Allow
- Zscaler URL Category – Caution
- Zscaler URL Category – Block
- SOAR – Block
という順番では、カスタム もしくは カテゴリURLに対して制御した許可・注意ルールが先に評価されるため、
SOAR – Blockに適用されるカスタムURLへ登録しても、許可もしくは注意アクションになる可能性があります。
そのため、SOAR用の拒否ルールは、通常の許可ルールより前・最初 に配置することをおすすめします。
- SOAR – Block
- Custom URL Category – Allow
- Custom URL Category – Caution
- Custom URL Category – Block
- Zscaler URL Category – Allow
- Zscaler URL Category – Caution
- Zscaler URL Category – Block
- SOARが追加したURLは最優先で評価され、確実に通信を遮断できます。
おわりに
SOARは、新しいセキュリティ機能を追加する製品ではありません。
SIEMが検知したイベントをもとに、既存のセキュリティポリシーを自動で更新する仕組みです。
ZIAと組み合わせることで、検知から遮断までの時間を短縮でき、SOC運用の効率化にもつながります。
設計では、API連携だけでなく、どのポリシーをSOARに管理させるかまで含めて設計することが重要になります。

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